2024年1月20日 「もっともらしい言い訳」 ルカ14章15節から24節 モトイ・トクメイさん

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「もっともらしい言い訳」ルカ14章15節から24節（モトイさんのブログ） 

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ー 携挙前の世の、目立った人たちを支配しているものについて ー

:15 イエスとともに食卓に着いていた客の一人はこれを聞いて、イエスに言った。「神の国で食事をする人は、なんと幸いなことでしょう。」

:16 するとイエスは彼にこう言われた。「ある人が盛大な宴会を催し、大勢の人を招いた。

:17 宴会の時刻になったのでしもべを遣わし、招いていた人たちに、『さあ、おいでください。もう用意ができましたから』と言った。

:18 ところが、みな同じように断り始めた。最初の人はこう言った。『畑を買ったので、見に行かなければなりません。どうか、ご容赦ください。』

:19 別の人はこう言った。『五くびきの牛を買ったので、それを試しに行くところです。どうか、ご容赦ください。』

:20 また、別の人はこう言った。『結婚したので、行くことができません。』

:21 しもべは帰って来て、このことを主人に報告した。すると、家の主人は怒って、そのしもべに言った。『急いで町の大通りや路地に出て行って、貧しい人たち、からだの不自由な人たち、目の見えない人たち、足の不自由な人たちをここに連れて来なさい。』

:22 しもべは言った。『ご主人様、お命じになったとおりにいたしました。でも、まだ席があります。』

:23 すると主人はしもべに言った。『街道や垣根のところに出て行き、無理にでも人々を連れて来て、私の家をいっぱいにしなさい。

:24 言っておくが、あの招待されていた人たちの中で、私の食事を味わう者は一人もいません。』」

（ルカ14章15節から24節）

こんにちは、モトイです。今日のメッセージのタイトルは、『もっともらしい言い訳』としました。聖書箇所はルカの14章15節から24節までです。

ここの聖書箇所は、イエスが預言的な たとえ話を説明しているところです。あとでまたくわしく見てゆきますが、結論的なことを言うと、このたとえ話はキリストの初臨のときに いわゆる知識階級、あるいは指導者たち、力ある者、お金持ちたちがイエスを拒絶しているというたとえ話で、その拒絶の仕方がもっともらしい言い訳なのですね。そして、このことはキリストの十字架のときに成就しました。指導者たち、宗教的な指導者や政治家たちが「あなたは旧約聖書で預言されているメシヤ（救い主）ではない」と、前もって伝えられていたメシヤであるイエスを拒絶したというかたちで成就したのです。

また、キリストの初臨のときに起こったことは、再臨の前後にもまた繰り返されるとよく言われるので、ここの預言的なたとえ話のことも いま私たちが見ている世界で成就しているということであろうと思われます。

世の中の力ある者、知識があるとされている者、あの人は立派だと思われるような人たちが、もっともらしい言い訳で神を拒絶しているというかたちでここも成就しているのでしょう。そして、これはいつもの結論ですが、私たちはそれを見ていて、その中で祈るということに召されている。塩けを発揮するように召されているという私たちです。

でも、ややもするとこの世の中の方が正しく見えるので…。本当は正しくないのです。全然正しくないのですが、私たちがコロサイ書2章3節にあるキリストのうちに隠されている知恵と知識の宝のすべてにつながっていないと、

このキリストのうちに、知恵と知識との宝がすべて隠されているのです。（コロサイ2章3節）

あるいは聖霊なる神のそそぎの油としての役割にしがみついていないと、本当の知識を得て世の中を見ていないと、私たちもこのもっともらしい話で、そっちの方が魅力的で賢くて、力強く、当然のことように見えてしまうでしょう。それで簡単に足をすくわれる、そのような大きな霊的な惑わしであろうと思われます。

あなたがたの場合は、キリストから受けたそそぎの油があなたがたのうちにとどまっています。それで、だれからも教えを受ける必要がありません。彼の油がすべてのことについてあなたがたを教えるように、ーー その教えは真理であって偽りではありません。 ーー また、その油があなたがたに教えたとおりに、あなたがたはキリストのうちにとどまるのです。

（第1ヨハネ2章27節）

ですから、いつも祈るというその結論は、「私たちは神とつながることによってこれらのこと、もっともらしい言い訳がうそにまみれた罪の中の現象、世の終わりのしるしだと分かっています。神に教えていただいています。だからこそ、その中で神につながって祈りましょう」という いつもの結論としたいと思います。

ー ルカ14章15節から24節 ー

今日の聖書箇所の背景ですが、パリサイ派のある指導者の家にイエスが呼ばれていて、食事に招かれているという場面です。そして、今日の箇所の直前では、イエスが「祝宴を催す（もよおす：行う）場合には町の有力者とかお金持ちなどを招くのではなく、むしろ弱い者、お返しさえできないほどの、たとえば貧しい人や体の不自由な人たちを招いて もてなしなさい。そうすれば、彼らはお返しができないので義人の復活の時にあなたは天において神から報いを受けます」ということを言うのですね。

そして今日の聖書箇所の冒頭では、その話を聞いていたパリサイ派の知識のある人たちが、「神の国で食事をする人はなんと幸いなことでしょう」というふうに言うのですね。つまり、義人の復活とか神の国に食事があるということが聖書的に分かっている知識階級がここに集って（つどって）いるという背景です。そしてイエスはその言葉に答えるように、このたとえ話をするのですね。

先ほども言ったように ここのたとえ話は、今すぐにお読みしますが、主人が宴会を催すときに、前もって招くことを伝えておいたにも関わらず、直前にそれを拒絶する人たちのことについて たとえ話で語られています。そして彼らは拒絶したので、宴会のその席は貧しい人たちで埋め尽くされるというかたちで、福音がこのように伝わるのだという預言的なたとえ話です。

ユダヤ人の知識階級、力ある者やお金持ち、政治家、宗教的な指導者たちがイエスを目の前にしたときに、いろいろな もっともらしい言い訳で、「おまえなんかメシヤ（救い主）ではない」と拒絶するのですね。その代わりにユダヤ人の弱い者たちから福音が伝わって、さらに異邦人に伝わるというたとえ話です。そして、いまの私たちにも関連してきますという背景でお読みしたいと思います。

:15 イエスといっしょに食卓に着いていた客のひとりはこれを聞いて、イエスに、「神の国で食事する人は、何と幸いなことでしょう」と言った。

:16 するとイエスはこう言われた。「ある人が盛大な宴会を催し、大ぜいの人を招いた。

:17 宴会の時刻になったのでしもべをやり、招いておいた人々に、『さあ、おいでください。もうすっかり、用意ができましたから』と言わせた。

:18 ところが、みな同じように断り始めた。最初の人はこう言った。『畑を買ったので、どうしても見に出かけなければなりません。すみませんが、お断りさせていただきます。』

:19 もうひとりはこう言った。『五くびきの牛を買ったので、それをためしに行くところです。すみませんが、お断りさせていただきます。』

:20 また、別の人はこう言った。『結婚したので、行くことができません。』

:21 しもべは帰って、このことを主人に報告した。すると、おこった主人は、そのしもべに言った。『急いで町の大通りや路地に出て行って、貧しい者や、からだの不自由な者や、盲人や、足のなえた者たちをここに連れて来なさい。』

:22 しもべは言った。『ご主人さま。仰せのとおりにいたしました。でも、まだ席があります。』

:23 主人は言った。『街道や垣根のところに出かけて行って、この家がいっぱいになるように、無理にでも人々を連れて来なさい。

:24 言っておくが、あの招待されていた人たちの中で、私の食事を味わう者は、ひとりもいないのです。』」

（ルカ14章15節から24節）

アーメン。「食事を味わう者はひとりもいない」と言うところまで主人が怒りに燃えているのですね。この主人が怒っている情景というのは、当時の慣習をもう少し理解すると もっと分かると思います。

この当時のこういう大宴会を行うときの慣習としては、何日も、ときには何ヶ月も前から、「このような大宴会を、このような理由で○○日に行います。あなたに来ていただきたいのですが、あなたは来ることができますか？それとも、できませんか？」という招きをまずするのですね。

その1回目の招きに「ぜひ行かせてください」と答えた人に、直前になると、「準備が整いましたので、いま来てください」と2回目の招きをするのだそうです。ですから、ここで断った（ことわった）人たちは、「行きます」と言っているのに、直前に「行けません」と言っている状態で、これは非常に失礼なことなのだそうです。そして、それぞれが同じように答えているのですね。

3人が例に出されていて、最初のふたりは「畑を買ったので行けません」「五くびきの牛を買ったので行けません」ということを言っています。大きなお金を使ってビジネスでいま忙しいので、それどころではないのですという断りなのですね。これは、「いまの生活が忙しいので…」と表面的には、少なくとも自分ひとりはもっともらしい言い訳だと思ったでしょう。しかし、何ヶ月も前から「来ることができますか？」と言われていて、「行きます」と言った人なのです。ですから、この言い訳は、本当は全く通用しないのです。ところが自分自身はそれで通用すると思っている状態でしょう。

そして3番目の人は、「結婚したので行くことができません」と言うのですが、これはどういうことかというと、申命記の24章5節に、結婚した人は一年間兵役につかなくてよいばかりか、あらゆる義務を課されてはいけないという神の戒めがあるのです。

人が新妻をめとったときは、その者をいくさに出してはならない。これに何の義務をも負わせてはならない。彼は一年の間、自分の家のために自由の身になって、めとった妻を喜ばせなければならない。（申命記24章5節）

ここで言っているこの人は、神の言葉を使って、「結婚したので行けません」と言ったのですね。でも、たとえ1回目の招きに応じて、そのあとに結婚したとしても、それは自分の問題なので、「結婚したので行けなくなりました」とまえもって伝えておくべきなのです。しかし直前まで言わずに、神の言葉を使って、「結婚したので行けません。神がご命令しているので行けません。神が悪いんです」と失礼なことを言っているのです。これもとても失礼なことで、しかも神の言葉で拒絶しているということです。それで怒るのですね。

そして怒って、まずは町の中の大通りや路地に行きました。そして、次に街道に行くのですね。どういう意味なのかというと、大通りとか路地は町の中にあるのです。すなわち、ユダヤ人の知識人が まず行けませんと言ったあとは、ユダヤ人の町の中、コミュニティ（共同体）の中で大通りや路地にいる弱い者たち、体の不自由な人たちや足の不自由な人、目の見えない人などを招くのですね。まだ席があるので、次は街道に行きます。街道とは町と町をつなぐ道なので、町から外へ行くのですね。つまり、異邦人に福音が伝わるということです。

まずユダヤ人の有力者たちに、旧約聖書の中でメシヤ（救い主）が来ると何度も言っているのですね。それを分かっている人たちがメシヤを直前で目にしたときに、「私たちには立場があります。神殿での奉仕があって、私は偉い人で忙しい。だから、あなたのことをかまっていられません」とか、「私にはこのような仕事があるので、大工のせがれ（息子）には かまっていられません」というような失礼なやり方で拒絶するとか、「あなたは安息日に目を癒やしたでしょう。だから、私はあなたがメシヤではないと確信しています」と、聖書を使って本物のメシヤを否定しているという状態です。

どれも間違いですが、自分たちは正しいと思っているのですね。そしてユダヤ人から始まって、特にユダヤ人の弱い人たち、招かれていないような体の不自由な人たちや足の不自由な人などから福音が伝わり、さらに異邦人に…。しかも異邦人も街道にいたり、垣根にいる人々。家の中にいる人ではなく道ばたにいる弱い人たちに福音が伝わるということでしょう。

いまの世の中、携挙直前のこの時代も同じようなことが起こっていると思われます。世の中で立派な人や力がある人、お金持ちたちは、自分たちは正しいと思って、日々の生活で一生懸命に働いて大きなお金を動かしている。大ぜいの人たちを養っている。いま神様などには関わっていられないんだというようなかたちで神を拒絶したり、「全世界はアメーバーみたいものから徐々に成長して、進化発展してきた。そして私たちが生命の進化の頂点にいる。神などはいないんだ」などと、もっともらしいことで神を拒絶しているということでしょう。

※ 進化論のうそと惑わしについては、拙著（モトイトクメイ著）『進化論が科学だと信じ切っているあなたへ』に記しました。Google Playにて無料で読めます。

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むしろ、いまも弱い者たちに神が伝えられているという状態ですが、インターネットの時代になって、特に武漢肺炎ウィルスが広がって以来、教会も行ったことがなく、周りにクリスチャンをひとりも見たことがないというような人たちが飢え渇いて、自分でインターネット上でキリストにつながったという人を、あちらこちらで聞きます。神が文字通り、無理にでも福音を伝えている状態でしょう。

さらに、これももう何度もお分かちしたことですが、十年以上前から急速にイスラム諸国の中で奇蹟的に、たとえば、「夢の中にキリストが現れてくださいました」というあかしとか、もっと大胆に、白昼夢のなかで目の前にキリストが現れたというようなことでキリストを信じるようになったということまで言われている。文字通り、神ご自身が無理矢理にでも福音を伝えている時代でしょう。

しかしながら、今のこの時代も言い訳はもっともらしいのですね。このもっともらしい言い訳のわかりやすい例は もうずっと言ってきましたが、SDGs（エスディージーズ）というのは「持続可能な発展」などと言って多様性を認めようと言っている もっともらしい言い訳として…。

私たちキリスト者、知恵と知識の宝につながっている、そそぎの油に教えられているキリスト者には、よく分かるうそ、もっともらしいけど おかしなうそだと分かるでしょう。それらは、たとえば同性愛を罪だと言わずに、「それは多様性の発露（はつろ：表面に現れたもの）なんだ」というようなことを言ったり、人工中絶を殺人だということを言わずに、「それは女性の権利だ」などと言うのですね。いまニューヨークでは人工中絶どころか産んだばかりの子どもは殺しても中絶に入るという、そのようなバカバカしいことまで起こっているそうです。でも、やっている人たちは本気でそれが正しいと思っているのですね。そもそも、いのちが神から与えられるということを信じていないので、本気でそれをやっているのですね。

そして、日本では、まだおぞましい犯罪だと思われていると思います。少なくとも私はそう信じていますが、かつては、世界中でも同じようにこれはおぞましい犯罪だと思われていたはずの小児性愛（しょうにせいあい）。大人が子どもを性的に凌辱（りょうじょく）するという、子どもを守るべき大人が子どもを性的対象とするという小児性愛が、いまは お互いの合意であるならそれも愛の一端（いったん：ひとつのかたち）だなどというような恐ろしい概念が広がりつつある状態です。これは聖書的に言うと、イザヤ書5章18節から20節。いまからお読みするこの聖書箇所の成就です。

ー イザヤ書5章18節から20節 ー

これは悪を善とし、善を悪として、彼らはうそを手綱として罪を引き寄せている状態です。しかも、「イスラエルの聖なる方？神様？そんな方がいるなら、神のすることを早く見せてくれ。見たら信じるから」とうそぶいている（えらそうなことを言っている）状態です。「もっともらしい言い訳を、自分自身では本気で実行している人たちがこのような状態です」という預言です。これは、もう成就しています。

:18 ああ。うそを綱として咎を引き寄せ、車の手綱でするように、罪を引き寄せている者たち。

:19 彼らは言う。「彼のすることを早くせよ。急がせよ。それを見たいものだ。イスラエルの聖なる方のはかりごとが、近づけばよい。それを知りたいものだ」と。

:20 ああ。悪を善、善を悪と言っている者たち。彼らはやみを光、光をやみとし、苦みを甘み、甘みを苦みとしている。

（イザヤ書5章18節から20節）

アーメン。悪を善、善を悪として、うそで罪を引き寄せているに過ぎないのですが、その言っていることはもっともらしいのですね。「多様性の時代だよ。私たちの宗教は みんなひとつの所を目指しているので、どの道を通っても同じ一点につながるんだから、私たちは何を信じてもいいんだ」と言うのですね。「でも聖書の教えだけはダメなの」と、これ（聖書）を否定するために、これ以外のみんながいいと言っているのですね。おかしいでしょう？私たちにとっては、それはおかしいのです。断然、おかしいのです。「なんでそんなことを信じられるの？おかしいでしょう」と、言ってはいけない「愚か者」という言葉のひどい表現、「○○なんじゃないの？」と言いたくなるのですが…。

イエスは彼に言われた。「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。（ヨハネ14章6節）

未信者の頃には、私は その言葉を普通によく言っていました。聖霊なる神が悲しむのでなるべく言わないようにしているのですが、その言葉を言いたくなるようなことが全く普通に行われているのですね。

悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。ただ、必要なとき、人の特を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与えなさい。神の聖霊を悲しませてはいけません。あなたがたは、贖いの日のために、聖霊によって証印を押されているのです

（エペソ書4章29節から30節）

おかしいのです。「なんで分からないの？」と思うのです。でも、それは分からないのが当然なのです。それはこの世の常識とか理性の問題に見えますが、霊的な問題だからです。これは霊的な戦いなのです。倫理の問題だとかモラルが低くなったという現象ではそのような問題ですが、そのような問題でさえないのです。霊的な問題なのです。それを説明している聖書箇所、エペソ書2章1節から2節をお読みしたいと思います。

ー エペソ書2章1節から2節 ー

これは、かつての私たちがこのような者でしたという説明ですが、今の世の中の人たちがこのような支配構造の中でだまされていますという霊的支配についての言葉です。最初に要点を言うと、悪魔・悪霊が空中の権威をつかんでいるのです。そして神を信じていない人たちである不従順の子らを霊的に支配して、この世の流れの中で霊的に隷属させて流しているということです。この、この世の流れがもっともらしい言い訳で、悪を善、善を悪として うその手綱で罪を引き寄せているという霊的な惑わしです。倫理の問題とか、論理的に彼らを説得したら彼らはわかるだろうという問題ではないのです。霊的な惑わし、奴隷状態の惑わしです。

:1 あなたがたは自分の罪過と罪との中に死んでいた者であって、

:2 そのころは、それらの罪の中にあってこの世の流れに従い、空中の権威を持つ支配者として今も不従順の子らの中に働いている霊に従って、歩んでいました。

（エペソ書2章1節から2節）

アーメン。霊に従っているのです。彼らが分からないのは、空中の権威を持つ支配者の隷属下にあるゆえに分からないのです。もちろん彼らも、かつての私たちと同じようにキリストに連なる者になり得ます。神の奇蹟があるならなり得ます。でも祈らずに近づいたり、祈らずに肉の言葉で戦ってしまったら、簡単に彼らのもっともらしい言い訳に取り込まれて、私たちが逆に霊的な守りがないなかで足もとをすくわれてしまうでしょう。常に祈らなければならないということが、このことからも見て取れるでしょう。

彼らの方がこの地上では優勢なのです。私たちは、もちろん最も強い方の守りを受けている者なので絶対に安全なはずですが、キリストという とりでのなかにいるならば安全なのであって、まだ肉のからだを持ち、この世の流れの支配のなかにいる。キリストというとりでのなかにいて、この世の中にいるという状態であることを忘れてはいけないでしょう。この世は悪い者の支配下にあるのです。

私たちは神からの者であり、世全体は悪い者の支配下にあることを知っています。

（第1ヨハネ5章19節）

私たちのうちにおられるそそぎの油、イエスキリストの御霊にしがみつかなければ、簡単に敵のもっともらしいものの言い方に取り込まれてしまったり、霊的に攻撃を受けてしまうでしょう。霊的に武装しなければ、私たちも祈らなければ何もできないということです。でも、祈りつつ彼らのために的確な言葉を話す必要がある。いま私たちがいるこのときの戦いとは、そのような霊的な戦いだということなのです。

そして、初臨のときにもこのようなもっともらしい言い訳をしていた人たちが優勢だったように、あるしるしが起こったら、次に起こることは悔い改めと迫害です。いまの私たちがいるこの状態とソックリだと思います。初臨のときには十字架という大きなしるしがありました。そして十字架のあと、使徒行伝（使徒の働き）の2章から始まる大リバイバルが起こりました。そのときに人々は心を刺されて悔い改めをしました。しかし、一方ではこの大リバイバルのムーブメントに敵対する人たちが迫害を起こしたという、こうした悔い改めと迫害が起こりました。

人々はこれを聞いて心を刺され、ペテロとほかの使徒たちに、「兄弟たち。私たちはどうしたらよいでしょうか」と言った。そこでペテロは彼らに答えた。「悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただくために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けるでしょう。（使徒の働き2章37節から38節）

次は携挙というしるしが起こります。私たちが天に引き上げられるという一方で、地上は悔い改めと迫害によって大混乱するということが起こります。それについては、私の考えでは新約聖書よりも旧約聖書の方がくわしく書かれています。

※  携挙（けいきょ）についてご存じない方は、下記の動画説明欄に詳しい動画をご用意してありますので、そちらをご覧ください。また、その他の関連動画も、ぜひご利用ください。（このブログでは、ブログ後半にある ＜おすすめ関連動画＞ のところでご紹介しています）

もちろん携挙という教えは新約時代にあらわにされた奥義と呼ばれる教えですが、旧約聖書の中にも携挙の教えを元に見れば、携挙の前後に関する預言があちらこちらにたくさん隠されています。たとえばイザヤ書の28章5節から8節のところでは、神の残りの者、私たちまことのキリスト者が天において神ご自身、主を美しい冠として受け取る。私たちまことのキリスト者の戴冠式があります。

その日、万軍の主は、民の残りの者にとって、美しい冠、栄えの飾り輪となり、さばきの座に着く者にとって、さばきの霊となり、攻撃して来る者を城門で追い返す者にとって、力となられる。しかし、これらの者もまた、ぶどう酒のためによろめき、強い酒のためにふらつき、祭司も預言者も、強い酒のためによろめき、ぶどう酒のために混乱し、強い酒のためにふらつき、幻を見ながらよろめき、さばきを下すときよろける。どの食卓も吐いた汚物でいっぱいで、余す所もない。（イザヤ書28章5節から8節）

その一方で、地上ではそれまで美食にふけっていた人たちが食べたものを吐いてしまって、食卓を汚物で満たすという大混乱が起こる。天では戴冠式。地上では食べたものを吐き出すというような精神的、霊的なうつ状態が起こることが描かれています。

そして、同じことを別な角度から預言している聖書箇所としてイザヤ書の24章16節があります。ここでは私たちキリスト者が地の果てからほめ歌を歌うという現象で天に引き上げられる一方で、「私はダメだ。私はダメだ」というようなムーブメントが地上で起こって、地上的に強制的なうつ状態のような大混乱が起こる。そして、「裏切る者は裏切り、裏切り者は、裏切り、裏切った」という監視社会が起こるのですね。

私たちは、「正しい者に誉れあれ」という地の果てからのほめ歌を聞く。しかし、私は言った。「私はだめだ、私はだめだ。なんと私は不幸なことか。裏切る者は裏切り、裏切り者は、裏切り、裏切った。」（イザヤ書24章16節）

このような大混乱、天では私たちのほめ歌があり、主ご自身が私たちの冠になってくださる。そうしたことが起こる一方で、地上では大混乱する。人々がもう美食にふけるような享楽に興じられない精神的なうつ状態のなかで、人々が裏切りあうという状態になるのですね。

そしてヨエル書2章28節の、その後の大リバイバルが起こります。

その後、わたしは、わたしの霊をすべての人に注ぐ。あなたがたの息子や娘は預言し、年寄りは夢を見、若い男は幻を見る。（ヨエル書2章28節）

ヨエル書2章28節の『その後』とは何の後なのかというと、その前の2章26節から27節に同じ言葉で二度繰り返されている、神の民が恥を見ることがもう永遠にないという言葉が成就した「その後」なので、これも携挙が隠された預言のひとつでしょう。

・・・わたしの民は永遠に恥を見ることはない。（ヨエル書2章26節）

・・・わたしの民は永遠に恥を見ることはない。（ヨエル書2章27節）

携挙があった その後に、全世界の人々が神のあかしの霊を受け取るのですね。そして、とりわけユダヤ人の息子や娘、年を取った人たちには預言の霊が与えられ、黙示録の中に登場するふたりの証人とか、14万4千人のあかし人として全世界でだれも働くことのできない夜のなかで例外的にあかし人として働く時代になるのですね。

わたしたちは、わたしを遣わした方のわざを、昼の間に行わなければなりません。だれも働くことのできない夜が来ます。（ヨハネ9章4節）

そして、その後にすべての人、地上に残されたすべての人に、神を選ぶのか、それとも拒絶するのかという強制的ながらも自由意志を働かせる最後のチャンス、二者択一が迫られて、神を選んだ者は殉教者となり、神を拒絶した者は迫害者となる。携挙のしるしのあと、悔い改めと迫害が地上で起こるということです。

私たちは その直前に、もっともらしい言い訳で満ちている世界を見ている状態です。そして、そのもっともらしいものの考え方というのは、すべてこの世の流れの神ぬきでの惑わしなので、そのなかに神ぬきで私たちがドップリと浸かってしまったら、救いを受けいているにもかかわらず私たちも簡単にそれに巻き込まれるでしょう。これは霊的な戦いなのです。それゆえに、携挙に賜る唯一の条件が記されているルカの21章36節を今日も最後にお読みして、私たちの励ましとしたいと思います。

ー ルカ21章36節 ー

その唯一の条件というのは ごく簡単なこと。「いつも油断せずに祈る」というたったこれだけです。でもたったこれだけが背教の時代である今のこの時代に全世界のキリスト者が忘れている霊的な生活の仕方です。いつも信仰によって人の子、キリストの前に出ているというこの交わりの生活だけでよいのに、聖書も読まず、祈りもしない。イエス・キリストも完全に忘れて、日々を世の中の人と同じように過ごしているキリスト者が全世界にいるのですね。

ひょっとしたら私たちもその影響を受けてしまい、簡単にもっともらしい言い訳に惑わされて、いつも祈るということを忘れてしまうかも知れません。そういう意味で、警告である一方で、いつも神にしがみつくというたったこれだけで、これらすべての黙示録的なことからのがれるのだという祝福の言葉として見てゆきたいと思います。祝福と警告です。

しかし、あなたがたは、やがて起ころうとしているこれらすべてのことからのがれ、人の子の前に立つことができるように、いつも油断せずに祈っていなさい。（ルカ21章36節）

アーメン。いつも油断せずに祈るということは、いつも信仰によって人の子、キリストの前に立つということです。そして、この祈りの姿勢だけが、たったこれだけが その日・その時（携挙の時）がいつであったとしても実際にキリストの前に立つことができる唯一の条件なのですね。たったこれだけなんですが、全世界では この世的になって、ラオデキヤ教会の人たちと同じようになってしまって、この世を招き入れてキリストを押し出している人たちが大ぜいいるということも預言の成就として、私たちはしるしとして見ているという状態でしょう。

※ ラオデキヤの教会については、黙示録3章13節から22節をお読みください。

しかも、そのような巻き込まれてしまったキリスト者が言うことも、もっともらしく聞こえるのですね。それはもっともなことなのではなく、完全なうそ、惑わしなのですが、それが惑わしだと分かるのは、私たちがそそぎの油に教えられているからであって、教えられていないと私たちも簡単にだまされるでしょう。

※ おすすめ関連動画「ラオデキヤの目薬」参照

このキリストのうちに、知恵と知識との宝がすべて隠されているのです。私がこう言うのは、だれもまことしやかな議論によって、あなたがたをあやまちに導くことのないためです。

（コロサイ書2章3節から4節）

そういう意味で今週も送られた場所・場所で、この私たちの大いなる特権、いつも祈るという特権で知恵と知識の宝のすべてにアクセスし、キリストとともに塩けを発揮しつつ、私たちの役割を最後まで果たして この世を歩んでまいりましょう。

ひとこと、お祈りいたします。

愛する全能の父なる神様、感謝いたします。どうぞ、聞いてくださったおひとりおひとりを祝福してください。おひとりおひとりが今あなたの前に立っているその中で、必要なことはあなたがご存じです。そのことをおひとりおひとりがご自分でも理解できますように。

そして、祈りの中であなたに申し上げるということができますように。さらに祈りを深めてください。その深遠なる祈りの奥義をあなたがさらに味わわせてください。祈りの素晴らしさをもっともっと教えてください。あなたをもっともっと愛させてください。

そして、おひとりおひとりが今地上で抱えているその祈り課題を、主イエス・キリスト様のお名前によって今あなたの御前におささげします。どうぞ、あなたが取り扱ってください。祈ってよかったと、また思わせてください。おひとりおひとりをあなたが顧みてくださるというあなたの愛を、いま感じさせてください。感謝いたします。さらに祈らせてください。

感謝して、愛する主イエス・キリスト様のお名前によって祝福して、お祈りを捧げます。

アーメン。

最後まで聞いてくださいまして、ありがとうございました。(^^)/

fin

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2024年1月13日 「偶像を造る時」 第1列王記12章25節から33節 モトイ・トクメイさん

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「偶像を作る時」第1列王記12章25節から33節 （モトイさんのブログ）

http://kirisutoinochi.seesaa.net/article/502049567.html　 

ー 背教の時代の惑わしで、キリスト者が偶像を作らないために ー

:26 ヤロブアムは心に思った。「今のままなら、この王国はダビデの家に戻るだろう。

:27 この民が、エルサレムにある主の宮でいけにえをささげるために上って行くことになっていれば、この民の心は、彼らの主君、ユダの王レハブアムに再び帰り、私を殺し、ユダの王レハブアムのもとに帰るだろう。」

:28 そこで、王は相談して、金の子牛を二つ造り、彼らに言った。「もう、エルサレムに上る必要はない。イスラエルよ。ここに、あなたをエジプトから連れ上ったあなたの神々がおられる。」

（第1列王記12章26節から28節）

こんにちは、モトイです。今日のメッセージのタイトルは、『偶像を作る時』としました。聖書箇所は第1列王記の12章25節から33節までです。

この『偶像を作る時』というタイトルですが、実際に手で人のかたちとか動物のかたち、今日の聖書箇所で言うと金の子牛を作るということもそうなのですが、聖書の偶像の定義によると、私たちキリスト者も心の中心に神以外のものを置くとそれが偶像になるということなので、そういう意味で『偶像を作る時』としました。

そして、私たちが今いる時代は携挙直前の惑わしの時代。世の人たちは普通に偶像を作って神以外のものを心の中心に置いているだまされている人たちですが、その世の中的なものの考えがキリストの体の中にまで入り込んでいる背教の時代です。

※  携挙（けいきょ）についてご存じない方は、下記の動画説明欄に詳しい動画をご用意してありますので、そちらをご覧ください。また、その他の関連動画も、ぜひご利用ください。（ブログの最後にあるリンクからアメブロに行くと、関連動画のリンクが貼ってあります）

そして、とくに第2テモテ3章5節の言葉にあるように、見えるところは敬虔であっても、その実を否定するキリスト者が出て来るという預言が 今もう成就している状態です。

終わりの日には困難な時代がやって来ることをよく承知しておきなさい。・・・見えるところは敬虔であっても、その実を否定する者になるからです。こういう人々を避けなさい。

（第2テモテ3章1節＆5節）

見えるところは敬虔なのです。でもその実、神の力、聖書の言葉のその力、神の奇蹟、祈りの力などを否定する人たち、キリスト者なんですが、それが世の終わりのひとつのしるしとして預言されたとおりに現れている時代なので、あの人やこの人の問題ではなくて、私自身の問題としてここを反面教師的に見てゆきたいと思います。

※ おすすめ関連動画「全ての王国のおののき」参照

ー 第1列王記12章25節から33節 ー

今日の聖書箇所の所では、実際に偶像、金の子牛を作る北イスラエル王国の王様の話なのですが、でも神の御名で人を動かすとか、自分のために神を用いるなど自分の都合が本当は中心なのに「神のためだから…」と言っている状況を合わせて見ると、偶像を作る瞬間に私たちも、自分自身をだますような瞬間もいろいろとあると思います。そういう意味でここから反面教師的に学んでゆきたいと思います。

結論はいつもと同じですが、このように世の中が…。世の中の人は神中心ではないので偶像だらけの中で生きているのがあたりまえなのですが、世の中の人のものの価値観がキリストのからだの中にまで入り込んできている時代なので、そこで生きるということで言えば、神との交わりがないというのが非常に危険な状態であると言えるでしょう。そういう意味で、いつもの結論ですが、送られた場所・場所、そこで祈るというのが惑わしの中で祈るとか、惑わしにだまされないためにも神を中心にする。自分と神との間に何者をも差し挟まないように祈るという言い方で、いつもの結論を考えることができると思います。

もう祈らずに、かつてサンデー・クリスチャンということが普通にあった時代…。今もそうですが、それが信じられないほど、いまは戦いの中にいるという緊張感は必要であると思います。そういう意味で、いつも祈るという結論ですが、「世の中がものすごく偶像に満ちているその中にあって、私自身が偶像を作るという瞬間もあるのだ。これに警戒しなければならないんだ。だから、私たちは送られた場所・場所、そこでいつも神をあがめます。神との交わり抜きでは生きません」という結論としたいと思います。

今日の聖書箇所ですが、実際には先ほども言ったように、人間の手で世の中にあるなにかのかたちを作るという偶像崇拝の出来事が書かれています。でも、このヤロブアムという王様は自分のために人を動かそう、神の御名を使って人を動かそうという人なので、今の私たちにも ものすごく参考になる、悪い例として反面教師的に参考になると思います。

背景をもう少しくわしく説明すると、イスラエルという古代イスラエル王国は、サウル、ダビデ、ソロモンとずっと統一王朝時代が続いていました。ですがソロモンの息子の代、レハブアムという王様で今日は名前だけ登場するのですが、そのレハブアムの代になると南北に分裂してしまいました。王国の優秀な役人だったヤロブアムという人が、北イスラエルの10部族を率いて分離独立してしまったのですね。いろいろないきさつがあるのですが、これは神によることだったのです。

そして今日の聖書箇所で、まずヤロブアム王が北イスラエル王国で何をしたのかということが書かれています。この背景には、北であろうが南であろうが神の命令、戒めによると、イスラエル人のすべて男子は年に3回、エルサレムにある神殿で礼拝をしなければいけない。いけにえを捧げなければならないという神の戒めがあったのです。

南ユダ王国がエルサレムを支配していて、レハブアムがダビデの子孫としてその南ユダ王国を支配しているので、せっかく北イスラエル王国を分離独立させたにも関わらず、年間3回も国民が礼拝に行っていたら、これはもうそのうち国民がすべてレハブアムに取られてしまうだろう。そのうち北イスラエル王国の国民が自分（ヤロブアム）を殺すだろうと心配したのです。それゆえに、悪い意味での大宗教改革をするのです。

金の子牛を2体作って、今日の聖書箇所に出ているのですが、「イスラエルよ、ここにあなたをエジプトから連れ上ったあなたの神々がおられる」と言い、この2体の金の子牛を見せて、そのひとつを北の果てのダンという地域に、もうひとつを南の国境付近のベテルという場所に置きました。そして、このベテルとダンに神殿を作って、金の子牛を崇めさせるという宗教改革をしたのです。

このヤロブアムは神をあがめるような人ではなくて、神の御名で人を動かす。自分のために神を用いるという典型例のような人です。このような悪い宗教改革をするという背景があります。私たちも神のためだと言って、実は自分が中心で神を言い訳にして何かをしていたら、自分も偶像を作る者になってしまう。そのような意味もこめて、お読みしたいと思います。

:25 ヤロブアムはエフライムの山地にシェケムを再建し、そこに住んだ。さらに、彼はそこから出て、ペヌエルを再建した。

:26 ヤロブアムは心に思った。「今のままなら、この王国はダビデの家に戻るだろう。

:27 この民が、エルサレムにある主の宮でいけにえをささげるために上って行くことになっていれば、この民の心は、彼らの主君、ユダの王レハブアムに再び帰り、私を殺し、ユダの王レハブアムのもとに帰るだろう。」

:28 そこで、王は相談して、金の子牛を二つ造り、彼らに言った。「もう、エルサレムに上る必要はない。イスラエルよ。ここに、あなたをエジプトから連れ上ったあなたの神々がおられる。」

:29 それから、彼は一つをベテルに据え、一つをダンに安置した。

:30 このことは罪となった。民はこの一つを礼拝するためダンにまで行った。

:31 それから、彼は高き所の宮を建て、レビの子孫でない一般の民の中から祭司を任命した。

:32 そのうえ、ヤロブアムはユダでの祭りにならって、祭りの日を第八の月の十五日と定め、祭壇でいけにえをささげた。こうして彼は、ベテルで自分が造った子牛にいけにえをささげた。また、彼が任命した高き所の祭司たちをベテルに常住させた。

:33 彼は自分で勝手に考え出した月である第八の月の十五日に、ベテルに造った祭壇でいけにえをささげ、イスラエル人のために祭りの日を定め、祭壇でいけにえをささげ、香をたいた。

（第1列王記12章25節から33節）

アーメン。南北に国が分断されたその当初、北イスラエル王国の王様がまず何をしたのかという記述です。まず要害都市を再建しました。シェケムとペヌエルですが、どちらも要塞都市で、ダビデの子孫である南の王様が国を取り返そうと攻めてくる備えをしました。まずやったことが自分の保身だったのです。

そして26節以降も同じです。大宗教改革をするのです。見えるところは敬虔だったでしょう。「イスラエルよ、もうエルサレムに行く必要はないんだ。ここにあなたがたの神がおられる」と言うのですね。そして、ひとつは北のダン、もうひとつは南の国境付近のベテルという町にも（金の子牛像を）安置しました。ですから、北に近い人はずいぶん近いところに礼拝所ができたので、これは便利だと思ったでしょう。そして南に行く人たちも途中にベテルがあったので、エルサレムに行くよりもこちらの方が近いし、便利だと思ったでしょう。

そもそもヤロブアムは神などあがめておらずに神の名で人を動かし、自分の保身のために人びとを懐柔（かいじゅう：手なずける）しようと思って偶像を作ったのですが、それを聞いていた人たちも、同じように自分のために、「あっ、これは便利だ」と思ったでしょう。なかには、たしかにこのヤロブアムは変なことしていると思って、南のエルサレムに礼拝を捧げに行き続けた人たちもいたそうです。また、これはおかしいと思って、南に移住した人もいたそうです。でも大半は、近くに礼拝所ができたから、主の御名によって礼拝するのだからいいだろうと思ったでしょう。

王様であるヤロブアムも見えるところは敬虔にふるまって、自分のいのちの安全のために人びとに「もう南のエルサレムに行く必要はない」と宗教改革をしました。それを聞いて受け入れた人たちも、「そうか。主の御名によって礼拝したらよいのだ。しかも近くだから、年に三度どころか、もっと神様を礼拝したら神様も喜ぶだろうな」などと、ひょっとしたら思ったかもしれません。自分自身も見えるところは敬虔にふるまい、神の掟をないがしろ（軽視）にしたのですね。自分が楽だから、そちらに行くよりも途中にベテルがあるから、北の近くにダンがあるからそちらに行ったという人たちでした。自分自身も偶像を作ったということでしょう。偶像をあがめに行くのですが、結局は自分と神との間に自分が入ってしまった。「こちらの方が便利だから、私が楽だから、もう南に行く必要はないんだ」と神の掟をないがしろにする何かが入ったのですね。

この「イスラエルよ。ここに、あなたをエジプトから連れ上ったあなたの神々がおられる。」（28節）という言葉ですが、出エジプト記32章4節のアロンの言葉とそっくりです。

彼がそれを、彼らの手から受け取り、のみで型を造り、鋳物の子牛にした。彼らは、「イスラエルよ。これがあなたをエジプトの地から連れ上ったあなたの神だ」と言った。

（出エジプト記32章4節）

アロンは大祭司で、モーセにエジプトから率いられて出エジプト（エジプトからの脱出）を成し遂げた数日後、ほとんど何十日も経っていないときに金の子牛を作りました。そして、「明日は主への祭りだから…」と言って、神の怒りを買った出来事が出エジプト記の32章に出ています。

アロンはこれを見て、その前に祭壇を築いた。そして、アロンは呼ばわって言った。「明日は主への祭りである。」（出エジプト記32章5節）

このときの背景もほとんど同じでした。自分と神との間に何かを挟んだのですね。大祭司アロンがなぜ偶像を作ったのかについて もう少し詳しく見ると非常に今日の聖書箇所と重なってくるので、またザッとですがお分かちします。

ー 出エジプト記32章の概略 ー

出エジプト記32章は、さきほども言ったように出エジプトを果たした、すなわちモーセをリーダーとして神の奇蹟をいろいろと見て、エジプトから出てきたばかりの時です。そしてイスラエルの集団がシナイ山のふもとに来ました。そしてリーダーであるモーセは山に登ったのです。山で神に会っているはずなのです。それは見えるのです。神の栄光の雲が山を覆うのです。でもそれが非常に怖かったのです。雲がかかっているだけではなく、ときどき神の声が雷のように聞こえるので、民衆はおびえていました。しかも四十日も経ってしまいました。

そこで出エジプト記の32章の所まで来ると、エジプトの習慣を思い出して、アロンに頼みごとをするのです。アロンは神の大祭司でした。エジプトでは多神教の国だったので、このような時はこのような神と、いろいろなときの場合に応じる神をあがめていたのです。それで民が言ったことは、「モーセは、もう山に登って降りて来ないので、私たちは不安です」この「私たちが不安です」と。

ここは、私たちが考えるべきポイントだと思うのですが、「私たちは不安だから、私たちのために神を作って下さい」とアロンに頼んだのです。「神の御名を使って、私が不安だからなんとかしてくれ。神を作れ」と言うのですね。そして、大祭司アロンもそれに迎合（げいごう：調子を合わせる）したのです。この世的なやり方、エジプト的なやり方にならって金を集め、それを子牛のかたちにして金の子牛を作りました。そして、「イスラエルよ、ここにあなたがたをエジプトから連れ上ったあなたがたの神がおられる。明日は主への祭りの日だ」と言って、次の日に金の子牛を囲んで、飲んだり食べたりと乱痴気騒ぎ（らんちきさわぎ：大騒ぎ）をしたのです。

でも主の祭りなのです。神の御名を使って、この世的なやり方で、大祭司アロンはエジプト的なやり方で人々の心をなだめたのです。もしここで、この世的なやり方に迎合せずに この世と同調しないで、神のみこころは何かということを探り求めて、大祭司的に信仰深く人々にふるまったとしたら、きっと、「いまモーセが山に登っているのは神に出会うためだ。神といま会話をしているのだから、モーセが戻って来たときに何と伝えられるのか楽しみに待とう。忍耐をして待とう」というふうに、きっと希望と忍耐を伝えた。それを求めた。そのような大祭司的な信仰深い態度に出たでしょう。

でも人びとを見て、エジプト的なやり方、この世的なやり方で妥協して、神のみこころが何かということではなくて、人々を安心させるために この世のやり方で、この世の神を作ったのですね。見えるかたちで神を作って、乱痴気騒ぎを主の御名の祭りとしてやったのです。神の御名を使った この世的な、神を用いて政治的に人々をなだめたということでしょう。

この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か。すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい。（ローマ書12章2節）

大祭司アロンは必死になんとかしようと思ったのでしょう。神に祈ってやったことではないのですよね。人を見て、自分の肉で考えて、「そうだ。彼らのために神を作ろう」とエジプト的なやり方でやってしまったということでしょう。神を見て、自分と神との間になにかを差し挟まないように祈りつつやった態度ではないと言えると思います。でも、これは後付けの知識で私たちがこのように解説するということですが、必死になっているときには「なんとかしなければ…」ということなので、私たちもそのように、「イスラエルよ、明日は主への祭りだから、主の御名によってやろう。主の御名によってやればいいんだ」と、私たちもそのようなことをするかもしれません。私たちも気をつけなければならないということでしょう。

今日の聖書箇所のヤロブアムは、完全に初めから神などそっちのけで自分のいのちのために神の御名を用いて人々を動かしましたが、大祭司アロンも神の民イスラエルも この世に妥協してしまうと、神との交わりよりもこの世のやり方で主の御名によって安心する主の祭りをしてしまうのですね。私たちも気をつける必要があると思います。大祭司アロンも見えるところは敬虔だったでしょう。人々も、「神を作れ。主への祭りをさせてくれ」というかたちで、見えるところは敬虔であったでしょう。このようなところに私たちにもわなが隠れているということだと思います。

「礼拝だから…」とか、「教会だから」「クリスチャン同士だか…」「今日聖書を読んだから…」とかではないのですね。いま神と自分の間になにかを差し挟んでいるのか、いないのかが非常に重要でしょう。だまされないようにしなければならない時代に神との交わりがなくなってしまうと、私たちも簡単にだまされる。自分で自分をだましてしまうということにもなると思われます。そういう意味で、もう1箇所聖書をお読みしたいと思います。エレミヤ書の29章4節から14節です。

ー エレミヤ書29章4節から14節 ー

ここ（エレミヤ書29章4節から14節）は人々がにせ預言にしがみついてしまったことを神が叱責する聖書箇所なので、だまされる時代の信仰について私たちも学べると思います。

背景を説明すると、ここはバビロンに捕囚された当初の出来事です。先ほどの南北分裂の時代から説明すると、北イスラエル王国、ヤロブアム王から始まった背教の文化というのは、周りのあらゆる異民族の習慣を持ち込んで、あらゆる偶像が入り込み、あらゆる宗教天国になってしまいました。それゆえに、神がこのイスラエル王国を異民族であるアッシリヤ帝国によって滅ぼして、アッシリヤに捕囚されてしまいました。北はまっさきになくなってしまいました。

一方、南ユダ王国はしばらくは生き残ります。ときどき良い王様が登場して、良い宗教改革をするのです。それゆえに神に喜ばれたという事もあったのですが、結局はこの南ユダ王国も神から離れてしまい、新バビロニア帝国に滅ぼされて、蹂躙（じゅうりん：踏みにじられる）され、神殿の祭具は奪われて、バビロン捕囚の憂き目に遭ってしまいました。

そのバビロン捕囚の初めの頃、すでに神殿も国家もなくなっているのですが、でも基本的な自治団体はまだある状態で、エレミヤはまだエルサレムにいました。そして、バビロンにいる捕囚されたユダの民に神が言葉を語るというのがエレミヤ書29章の背景です。

そして、バビロンにいるユダヤ人たちは不安でたまらなかったのです。自分たちがいる国家が敵であり、神殿を略奪した人たちの町、すなわち敵の町にいて、自分たちは神の民なのでそこにいるべきではないという認識はあったのです。それで早く帰りたいという思いがありました。するとそこに にせ預言者とか占い師がやって来て、よいことを言ったのですね。どんなよいことを言ったのか ここには書いてありませんが、「あなたがたはすぐに帰れる。用意をしろ」というような言葉であったらしいということが分かっています。「でも、それは違う。あなたがたはそこで増えるように。その町の繁栄を求めるように」というのがここの聖書箇所です。

これを言われた当初はビックリしたと思います。なぜなら、自分たちの敵の町で増えるように、そして町の繁栄を求めよと言われた。敵の町の繁栄を求めよと言われたので、自分の人間的な考えを超越している神の言葉にここで直面しているのです。そして、中心的な聖句として「これはあなたがたに平安を与える計画であって、将来と希望を与えるものだ」というのですね。「そこでわたし（神）を求めよ。そもそも背教によってあなたがたが その町にいるのだから、その町で私を捜せ」というメッセージです。

今の時代とあわせて考えると、今の私たちのこの世の人々というのは、善を悪、悪を善とし、悪いものを引き寄せています。でもそれがあたりまえで、これが賢いライフスタイルなんだというような世の中なのです。そして神の民である私たちはそこにいる。非常にもどかしいいろいろ、あれやこれやを見せられて、神の言葉がないがしろ（軽視）される。こんなことがあっていいのかという状態でしょう。しかもいいことを言っている人がインターネット上のあちらこちらにいて、ハッとつかみたくなるということではないかと思います。ですから、自分と神との間になにものをも差し挟まないようにという意味もこめてお読みしたいと思います。

ー エレミヤ書29章11節から13節 ー

私たちにも神の計画があり、ひとりひとりに計画があるのですね。そして、私たちが送られたその場所にも神の計画があるのです。そして場所だけではなく、国家にも、日本にも計画がある。そして、全世界に神の計画が動いているということです。こう書いてあります。

:11 わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。──主の御告げ──それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。

:12 あなたがたがわたしを呼び求めて歩き、わたしに祈るなら、わたしはあなたがたに聞こう。

:13 もし、あなたがたが心を尽くしてわたしを捜し求めるなら、わたしを見つけるだろう。

（エレミヤ書29章11節から13節）

アーメン。私たちがいるこの時代は罪に満ちていますが、私たちはそれでも神のことばを信じて、必要なときには神の導きの中でそのことばを種蒔きし、そして祈る必要がある。そういう役割を担って（になって）いるのです。

でも、このだまされる時代にあって私たちも世の中に目を向けたり、神から目を離して、何か良いことを言っているあの人やこの人に目を向けたり、自分の都合に目を向けたり、自分の気持ちを中心にしたりすると、私たちも偶像を作る瞬間に遭遇するでしょう。そうではなくて、「私の気持ちはあなたのものです」と気持ちさえ神に明け渡し、自分の都合さえ神に明け渡し、すべてを明け渡すそのような礼拝を中心にこの地上で塩けを発揮するとき、私たちが神の計画の一部になる。そそぎの油がそれを教えてくださって、平安を与えるその計画をもっともっと味わい知ることになるというふうに言えると思います。

今週も王である祭司、地の塩・世の光として送られた場所・場所で塩けを発揮しつつ、祈りつつ歩んでまいりましょう。

ひとこと、お祈りいたします。

愛する全能の父なる神様、感謝いたします。どうぞ、聞いてくださったおひとりおひとりをあなたが祝福し、おひとりおひとりにふさわしい語りかけをあなたがお与えください。そして、おひとりおひとりのすべての環境を今あなたの御前におささげします。どうぞ、さらに祈る人にしてください。祈りによってあなたとともに道を歩む人にしてください。

そして、おひとりおひとりが今地上で抱えているその祈り課題も、主イエス・キリスト様のお名前によって、いまあなたの御前におささげします。どうぞ、そのことをあなたのやり方で成就させてください。また、おひとりおひとりが祈ってよかったと、またあなたの前で感謝の祈りができますように導いてください。さらに祈らせてください。ますますあなたを愛させてください。

感謝いたします。感謝して、愛する主イエス・キリスト様のお名前によって祝福して、お祈りを捧げます。

アーメン。

最後まで聞いてくださいまして、ありがとうございました。(^^)/

fin

ameblo.jp

2024年1月6日 「まむしのすえたち」 マタイ12章34節から40節 モトイ・トクメイさん

youtu.be

「まむしのすえたち」マタイ12章34節から40節（モトイさんのブログ）

 http://kirisutoinochi.seesaa.net/article/501981568.html 　

 

- しるしを見せろと言っていた人々が、しるしでだまされる時代  -

:34 まむしのすえたち。おまえたち悪い者に、どうして良いことが言えましょう。心に満ちていることを口が話すのです。

:35 良い人は、良い倉から良い物を取り出し、悪い人は、悪い倉から悪い物を取り出すものです。

:36 わたしはあなたがたに、こう言いましょう。人はその口にするあらゆるむだなことばについて、さばきの日には言い開きをしなければなりません。

:37 あなたが正しいとされるのは、あなたのことばによるのであり、罪に定められるのも、あなたのことばによるのです。」

:38 そのとき、律法学者、パリサイ人たちのうちのある者がイエスに答えて言った。「先生。私たちは、あなたからしるしを見せていただきたいのです。」

:39 しかし、イエスは答えて言われた。「悪い、姦淫の時代はしるしを求めています。だが預言者ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられません。

:40 ヨナは三日三晩大魚の腹の中にいましたが、同様に、人の子も三日三晩、地の中にいるからです。

（マタイ12章34節から40節）

こんにちは、モトイです。今日のメッセージのタイトルは、『まむしのすえたち』としました。聖書箇所はマタイ12章34節から40節までです。

この「まむしのすえたち」という言葉は、イエスを拒絶することに決めている宗教家たちにイエスが語っている言葉です。なぜ、まむしのすえなのかというと、もう さんざんイエスがメシヤ（救い主）であるというしるしを現したにも関わらず、それを拒絶しているからです。見たはずなのです。さんざん見たのです。でも今日の聖書箇所では、さんざん見て、イエスを拒絶しているはずなのに、「先生、私たちはあなたからしるしを見せていただきたいのです。あなたがメシヤであるなら、そのしるしが見たいのです。見たら信じますから…」というようなことを言うのですね。もう白々しくも、そうしたことを言っている状態です。見ても信じなかったのです。

キリストの初臨の前後に起こったことは、再臨の前後にも繰り返されると言われているので、いまの私たちのこの時代には、このまむしのすえたちの影響が濃厚に現れているものと考えられます。でも、「アイツがまむしのすえだ！」とか、「コイツがまむしのすえだ！」と言いたいのではありません。このような霊的な影響がある時代なので私たちも気をつけましょうという意味で、ここを反面教師的に見たいと思います。

※ おすすめ関連動画「時のしるしを見逃す人びと」参照

一方、私たちはヨハネの20章29節にあるキリストの言葉の、「見ずに信じる者は幸いだ」という私たちです。イエスがいて、しるしがあって、でも信じないまむしのすえたちであるこのような人たちとは全然違うのですね。私たちは肉によって現れているキリストを目の前で見てはいませんが、神の奇蹟によって信じたのです。そのこと自体がものすごい奇蹟でしょう。そして、見ずに信じた者としての祝福を今受けているという私たちです。

イエスは彼に言われた。「あなたはわたしを見たから信じたのですか。見ずに信じる者は幸いです。」（ヨハネ20章29節）

でも全体的な、時代的な、携挙直前の惑わしの影響があるので、まむしのすえたちの影響を受けないようにしましょうという意味で、ここから学んでゆきたいと思います。

※  携挙（けいきょ）についてご存じない方は、下記の動画説明欄に詳しい動画をご用意してありますので、そちらをご覧ください。また、その他の関連動画も、ぜひご利用ください。（このブログでは、ブログ後半にある ＜おすすめ関連動画＞ のところでご紹介しています→Blog最後のリンクからアメブロに行けます）

ー マタイ12章34節から40節 ー

まず、このまむしのすえたちが、まむしのすえ、へびのすえと酷いことを言われているのかというと、有名な「ベルゼブル論争」と呼ばれた論争のあとだからです。ベルゼブル論争とは何かというと、イエスがメシヤであると分かるしるしが起こりました。人々は、「この方こそメシヤかもしれない」という うわさで持ち切りになるのですね。ところが宗教家たちは自分たちの立場がまずいと思ったのか、「いや、これはメシヤのしるしではない。あれは神のわざではありません。悪霊どものかしらベルゼブルによる悪霊のわざなのです」ということを言ってしまったのです。そして、イエスはそのことを「聖霊を冒涜する罪だ」と断罪しています。もう赦されない罪を犯してしまった宗教家たち。だから、彼らはもう信じるつもりはないのですね。それにもかかわらず今日の聖書箇所では、白々しくも、「先生、私たちはあなたからしるしを見せていただきたいのです」と言っている状態なのです。

私たちのこの時代にも、見ても信じないのに、「しるしを見せろ」と言う人たちが世の中的にいっぱいいると思います。そして世の中的な影響が教会の中にも入ってくるという時代なので、ここから反面教師的に、「あの人、この人…」ではなくて、私たちがこのようになってはいけない。こういうな時代だからこそ、こうした流れに注意しましょうという意味で見てゆきたいと思います。

:34 まむしのすえたち。おまえたち悪い者に、どうして良いことが言えましょう。心に満ちていることを口が話すのです。

:35 良い人は、良い倉から良い物を取り出し、悪い人は、悪い倉から悪い物を取り出すものです。

:36 わたしはあなたがたに、こう言いましょう。人はその口にするあらゆるむだなことばについて、さばきの日には言い開きをしなければなりません。

:37 あなたが正しいとされるのは、あなたのことばによるのであり、罪に定められるのも、あなたのことばによるのです。」

:38 そのとき、律法学者、パリサイ人たちのうちのある者がイエスに答えて言った。「先生。私たちは、あなたからしるしを見せていただきたいのです。」

:39 しかし、イエスは答えて言われた。「悪い、姦淫の時代はしるしを求めています。だが預言者ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられません。

（マタイ12章34節から39節）

アーメン。『預言者ヨナのしるし』（39節）というのは、このあと あらわにされるイエスの十字架の死と復活のことです。人類の罪の身代わりとして十字架についたあと、墓に三日三晩葬られて、そしてよみがえったということをヨナのしるしとして預言して言っています。そして、しるしを見たがっていることを、「悪い姦淫の時代の人々」と言っている状態です。そして私たちにも適応される言葉としては、「心に満ちていることを口が話すので、私たちも自分の内に良いものをためましょう。神の言葉を食べて（読んで）、口の言葉を神の言葉、きよい言葉で満たしましょう」ということは、よく言われることです。

でも流れ的に言うと、ここはイエスを信じないと決めた彼らが、陰でイエスをどうやって引きずり落とそうか、どうやって殺してしまおうかと話し合っていることを指摘して、「あなたがたは悪い者であるので、悪い者の内から悪い言葉を話しているのです。そして、陰で語ったことまでも神は必ず裁きます」と言っている状態です。しかし、このようなことを指摘されたにも関わらず、白々しく、「先生、あなたがメシヤであるなら、私たちはそれを見たいのです。しるしを見せてください」というようなことを言うのですね。

今のこの時代も世の人たちにはこれが見て取れると思います。全世界は、ローマ人への手紙の1章にあるように被造物によって神がご自身をすでに現しておられるのです。それで全世界の月や星、山、川、動物、植物などで神の存在が分かるはずなのです。それなのに「神はいない」と言っている彼らには弁解の余地はないとまで聖書は語っているのです。しかし、それでも神がいるなら証拠を見せろと言うのですね。

神の、目に見えない本性、すなわち神の永遠の力と神性は、世界の創造された時からこのかた、被造物によって知られ、はっきりと認められるのであって、彼らに弁解の余地はないのです。

（ローマ書1章20節）

イザヤ書5章18節から19節のところでは、そのような彼らは うそを手綱として罪を引き寄せながら、「神がいて、神の預言が成就するのだと言うなら、それを早くさせよ。私たちはそれを見たいんだ」などと言うのですね。「神の預言の成就だって？それをオレたちも見たいんだ。早くそれを見せてくれ」と神の民をバカにして、証拠を見せろ。しるしを見せろと言っている状態です。

ああ。うそを綱として咎を引き寄せ、車の手綱でするように、罪を引き寄せている者たち。彼らは言う。「彼のすることを早くせよ。急がせよ。それを見たいものだ。イスラエルの聖なる方のはかりごとが、近づけばよい。それを知りたいものだ」と。

（イザヤ書5章18節から19節）

しかも、そういった世の中的な雰囲気がいま教会の中にまで入ってきて、第2ペテロ3章3節の預言を成就させる あざける（見下して悪口を言う）人々、キリスト者としてあざけっている人たちが私たちの目の前に現れているという状態です。

まず第一に、次のことを知っておきなさい。終わりの日に、あざける者どもがやって来てあざけり、自分たちの欲望に従って生活し、次のように言うでしょう。「キリストの来臨の約束はどこにあるのか。父祖たちが眠った時からこのかた、何事も創造の初めからのままではないか。」

（第2ペテロ3章3節から4節）

「主イエスの来臨の約束は どうなったんだ。先祖たちが眠ってからこのかた、世の中は変わっていないし、これからもずっと変わりませんよ。主イエスの再臨？もちろん、私も信じていますよ。でもそんなのは何百年も後のことでしょう」と信じていないのです。あざけっているのです。知識的には分かっていて、イエスの来臨があるという事は信じてはいるでしょう。でも待ち望んでいるという、神との交わりがないのです。個人的な神との交わりがないので、主人の帰りはまだだと思って、しもべ仲間をぶちのめすまで打ちたたくという時代になっているのですね。

しかしながら、私たちはイエス・キリストのことを見ずに信じた幸いをいま受けているという状態です。一方で、このまむしのすえたちの影響を受けている世の人たち、あるいは あざける者たちは、携挙後にはしるしでだまされるという時代に入り込むことになります。

ー 第2テサロニケ2章9節から10節 ー

どのようにしるしでだまされるのかということですが、第2テサロニケ2章9節から10節では、不法の人である反キリストの到来の際に、サタンのしるしによって見てだまされるということが語られています。「しるしを見せろ。見たら信じる」と信じないと決めているのに、あざけってそのように言っていた人たちが、しるしを見せられてだまされ、信じてしまうということです。こう書いてあります。

:9 不法の人の到来は、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力、しるし、不思議がそれに伴い、

:10 また、滅びる人たちに対するあらゆる悪の欺きが行われます。なぜなら、彼らは救われるために真理への愛を受け入れなかったからです。

（第2テサロニケ2章9節から10節）

アーメン。「救われるための真理への愛」（第2テサロニケ2章10節）というのは、イエス・キリストのことです。イエス・キリストの十字架の死と復活が私に関係があると思わなかった人たちが この時代に入り込むということですが、同時に悪いしもべも泣いて歯ぎしりをするという時代でもあると思われます。

そして注目したかったのは、しるしでだまされているということです。しるしは今もあります。私たちにとっては、この時代に もうすでにしるしはあるのです。でも彼らは信じていないのです。たとえば、しるしとして最大のものだと もうずっと言ってきましたが、イスラエルの再建はものすごく大きな預言の成就でしょう。でも、そのしるしを見てもなんとも思わないのですね。

私たちにとっては、このしるしは2000年間なかったユダヤ人の国家が再建された。しかも預言の成就として再建したのは、間違いなく神が動いておられるということのしるしです。しかも世の中の歴史家とか社会学者も、神と全然関係がないところでイスラエルの再建を奇蹟だと言っています。なぜなら、社会学とか歴史学の世界では、ある国家があってそれが滅亡してから70年以上経っても再建されなければ、再建されるのは不可能だと言われているのだそうです。ですから、2000年もなかったユダヤ人の国家が再建されたというのは奇蹟中の奇蹟だと、神とは全然関係がない学者さんたちが言っている。それにも関わらず、世の中の人もキリスト者も、「いいや。あのイスラエルという国家は聖書のイスラエルとは全然関係がないんだ」というようなことを言うのですね。しるしはあるのです。1948年の5月にイスラエルが再建したのです。1967年に六日戦争があって、「シオンの娘」であるエルサレムがユダヤ人の支配に完全に戻って来たのです。

旧約聖書の終わりの預言が、もうそのまま文字通り成就する舞台設定を神が整え終わったのです。そして私たちはそれを見ているので、キリストが預言をした「いちじくの木を見て学ぶ世代」が私たちで、携挙に賜る世代と言われている終わりの世代のキリスト者なのです。しかし同じものを見ても、「いいや、あれとこれとは違うんだ」と信じないと決めているのがいまの世の中でしょう。そして世の中の影響がキリスト者の中にまで入り込んできており、携挙後にはしるしでだまされる時代に入り込むということです。不法の人の到来はサタンのしるしが伴うのです。それを見て、信じてしまうのですね。

それからイエスは、人々にたとえを話された。「いちじくの木や、すべての木を見なさい。木の芽が出ると、それを見て夏の近いことがわかります。そのように、これらのことが起こるのを見たら、神の国は近いと知りなさい。

（ルカ21章29節から31節）

ちなみに、この不法の人の到来、サタンのしるしを伴うことになる反キリスト、すなわち不法の人ですが、今からお読みする創世記3章15節によると、反キリストはへびの子孫、サタンの子孫であるということが分かっています。

ー 創世記3章15節 ー

イエス・キリストは神のひとり子です。そして、サタンは神のものまねをするので、この不法の人、反キリストの登場を、きっと「この方こそキリストの再来である」と世間に信じ込ませることに成功するでしょう。でも聖書的に見ると、反キリストはへびの子孫なのです。どういうかたちでへびの子孫になるのかは分かりませんが、間違いなくへびの子孫、サタンのひとり子であるということが分かります。

創世記の3章15節は「原始福音」とも呼ばれる聖書箇所で、『おまえの子孫』というかたちでサタンのひとり子である反キリストも預言されています。また、『女の子孫』としてイエス・キリストが、神のひとり子としておとめマリアから生まれるということも預言されているところです。そして、イエス・キリストの十字架の死と復活もここに隠されて預言されているという意味で、ここは原始福音と呼ばれています。

そして残念なことですが、創世記にかぎらず聖書を人間の言葉と神の言葉が合わさったものと考えているキリスト者が世界中に大半を占めているそうです。

聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。

（第2テモテ3章16節）

私の信じている信仰で説明すると、聖書はすべて神の霊感で書かれた神の言葉です。私たちにとっては神の最高権威です。そして聖書全体が神の権威によって書かれていますが、創世記、特に創世記の1章から11章までは全世界の成り立ちと人類の歴史が書かれているのです。

世界が神によって6日間で造られて、7日目に神が休みました。そして地上に実際にあったエデンの園で、私たちの先祖であるところのアダムとエバがサタンに乗っ取られたへびにだまされて、食べてはいけないと言われた禁断の木の実を食べてしまう。その瞬間が創世記3章には描かれています。特に3章15節はその罪を犯した人間のその瞬間に神がサタンを断罪しているという聖書箇所です。ここでは『おまえの子孫』という言葉で反キリストが預言され、『女の子孫』というかたちでキリストの出現も預言されています。そして原始福音もありますので、そういう意味で、まずお読みしたいと思います。あとで原始福音について説明します。

わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく。」

（創世記3章15節）

アーメン。まず原始福音について説明します。『おまえは、彼のかかとにかみつく』とはイエス・キリストの十字架を予表する言葉で、おそらくですが、サタンがイエスのことを殺したその瞬間は勝利したと確信を持ったでしょう。ところがここに書かれているように、それはイエスのかかとにかみつく程度でしかなかったのです。なぜなら、完全なる神として、完全なる人として来られましたが、罪を犯すことがなかったのに十字架上で罪ありとされて、殺されたのです。

私たちの大祭司は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯されませんでしたが、すべての点で、私たちと同じように、試みに会われたのです。

（ヘブル書4章15節）

これはコロサイ書2章13節から14節の言葉で説明すると、神が私たちの罪の債務証書を十字架上に くぎ付けにされたという言葉の表れです。

あなたがたは罪によって、また肉の割礼がなくて死んだ者であったのに、神は、そのようなあなたがたを、キリストとともに生かしてくださいました。それは、私たちのすべての罪を赦し、いろいろな定めのために私たちに不利な、いや、私たちを責め立てている債務証書を無効にされたからです。神はこの証書を取りのけ、十字架に釘づけにされました。

（コロサイ書2章13節から14節）

イエス・キリストは罪がなかったのです。でも罪人として殺されたのです。そして罪人が行く場所に罪人でないのに送られたのです。それゆえに神はこの方をよみがえらせる正当な権利があったので、よみがえらせたのです。そしてエペソ書4章8節から10節にあるように、キリストは天に上る際に多くの捕虜を引き連れて天にお帰りになったのです。

そこで、こう言われています。「高い所に上られたとき、彼は多くの捕虜を引き連れ、人々に賜物を分け与えられた。」ーー この「上られた」ということばは、彼がまず地の低い所に下られた、ということでなくて何でしょう。この下られた方自身が、すべてのものを満たすために、もろもろの天よりも高く上られた方なのです。

（エペソ書4章8節から10節）

私たちはまだ天に行っていませんが、この捕虜に含まれる天国人です。キリストとともに天の御座に座っているという表現が私たちにも成就している存在で、キリストに連なる者になったので私たちは天国人なのです。そういう意味でイエスの勝利がここに書かれていて、『彼は、おまえの頭を踏み砕き』、すなわちサタンの頭を踏み砕くということが成就したのです。

サタンは、イエスを十字架上で殺したときに勝利したと思って、実はかかとにかみついている状態でした。そして、そのままイエスはサタンの頭を踏み砕くというかたちで死んでよみがえられて、天にお帰りになったのですね。これが原始福音です。私たちはこの方に連なる者なので、イエスに連なって天国人。キリストに捕らわれて天国に行くという者なのです。

私たちが世の中に住むということは、ときとして世の中を見てしまうので惑わしのおおいが来る瞬間もあるでしょう。しかしながら信仰によって神を見ると、その見た瞬間に惑わしのおおいが取りのけられるというのはものすごく大きな励ましだと思います。

そして、見た瞬間に私たちは聖霊の自由を得るのです。見れば自由になる。見ればキリストの似姿にいま変えられる。ものすごく大きな励ましだと思います。そして見た者は神の力によって、神の働きによって、神の責任によって変えられるのです。私たちが頑張って、しなければならないこと、してはならないことのリストを100でも200でも守って、頑張ったので変えられるのではないのです。見たから変えられる。見たから自由になるということです。見るということが重要なのです。

いまは信仰によって見る。その日・その時（携挙の時）は実際に見るのです。いずれにせよ私たちは今見ることによって、その日・その時に実際に見ることに賜り、これらすべての黙示録的なことからのがれるようにと約束を受けるのです。

しかし、あなたがたは、やがて起ころうとしているこれらすべてのことからのがれ、人の子の前に立つことができるように、いつも油断せずに祈っていなさい。

（ルカ21章36節）

一方で、しるし、神の語りかけがあるにも関わらず、見ても信じない者たちは見てだまされる時代に陥れられるということでしょう。私たちのこの時代はだれであれ捜す者は見つけ、求める者には与えられ、たたく者には開かれる時代なのです。キリスト者も、「この方を見たい。もっとあなたを知りたい」と思えば与えられるのですね。

だれであれ、求める者は受け、捜す者は見つけ出し、たたく者には開かれます。

（マタイ7章8節）

そして捕らえようとして追求する私たちが、逆にキリストによってつかまれて、捕らえられて、キリストに導かれる。そのような約束もある。それが今の時代です。

私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。ただ捕らえようとして、追求しているのです。そして、それを得るようにとキリスト・イエスが私を捕らえてくださったのです。

（ピリピ書3章12節）

ですから、私たちがこの時代にいることの見ずに信じることの幸いをますます受け取って、送られた場所・場所で祈りつつ、王である祭司、地の塩・世の光としての役割を果たしつつ歩んでまいりましょう。

※ おすすめ関連動画「ラオデキヤの目薬」参照

ひとこと、お祈りいたします。

愛する全能の父なる神様、感謝いたします。どうぞ、あなたがおひとりおひとりに また語ってください。おひとりおひとりが必要な霊的な食物を、またあなたがお与えください。そして、おひとりおひとりに祈ることの素晴らしさをさらに教えてください。この時代にあって、惑わしの中にあってもあなたを見て、解放されるその瞬間の喜びをおひとりおひとりにさらに教えて、体験させてください。

おひとりおひとりが今地上で抱えているその祈り課題も、主イエス・キリスト様のお名前によって、今あなたの御前におささげします。どうぞ、そのこともあなたによって成就させてください。さらに祈らせてください。

感謝します。感謝して、愛する主イエス・キリスト様のお名前によって祝福して、お祈りを捧げます。

アーメン。

最後まで聞いてくださいまして、ありがとうございました。(^^)/ 

fin

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